バイト先へ向かう日の朝7時20分頃、ほぼ毎朝その道を散歩しているのだろう、同じ女の人に連れられた一匹の柴犬に会う。
赤い散歩紐で引っ張られている、小太りの茶色い犬だ。
首輪から伸びている紐の根元には、あのdocomoのドコモダケがぶら下がっているのだった。
犬が歩く度にドコモダケはプラプラ揺れて、犬の前脚にピシピシあたる。
その姿がとても可愛い。
ある朝、いつもと同じように私はバイト先に向かい家を出た。自転車で家から二つ目の路地を越え、踏切の手前でいつものようにその犬に会った。散歩紐の根本には、
「お父さん」だった。
docomoのそれではなく、SoftBankのあれが付いている!ドコモダケじゃない!お父さんストラップだ!
飼い主の携帯のキャリアが代わったのか。
ドコモダケではなく、お父さんストラップを付けた犬は、歩く度にお父さんストラップを前脚にピシピシ当てながら、今日もトテトテ歩いて行くのだった。
山村麻由美





